今日は愛情ホルモン(オキシトシン)についてのお話をしていきたいと思います。
先週もお話しましたが、「育児はお母さんが主役」です。主役のあなた自身に余裕がないと、より良い育児ができませんよね。
余裕を作るためにも、出産時からあなた自身に深い関係のあるホルモンがあるという事、そのホルモンがどのような働きをしているのかを知っているだけで、育児をしていく上で色々な感じ方や、広い視野を持って育児ができると思います。
そしてそのホルモンは、あなたとお子様にとって、とても大切で欠かすことの出来ないホルモンだということを今日はご理解いただければと思います。
その大切なホルモンとは、オキシトシンといって人間にとって(他の動物にとっても)非常に重要な役割を果たしている神経伝達物質であり、ホルモンです。
別名「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」「幸せホルモン」などと言われることもあります。
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このオキシトシンは、出産時に大量に脳内から血中へと分泌され、陣痛を促進し、赤ちゃんを押し出すように作用します。
また、母乳を作りだすのにも大きくかかわるホルモンでもあります。
現在では、他にも様々な生理学的役割を果たしていると考えられています。
オキシトシンは、女性だけ(メスだけ)に分泌される特殊なホルモンではなく、男性も同様にオキシトシンを分泌しています。
ただ女性は、出産、授乳などの特定の時期に大量に分泌される機会をもちます。
分娩中、大量のオキシトシンが体内で放出され、母親は生まれてくる赤ちゃんと深い愛情で結ばれます。
また、授乳中には母親と赤ちゃんとが相互に作用しあい、母子ともにオキシトシンが大量に分泌されることで、お互いの絆をさらに深いものにしていきます。
(子育てメディア 2012/6/7投稿「体内で働く愛情成分の正体」 引用)
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というようにとても大切なホルモンですが、実はオキシトシンによってお子様以外の全ての相手(たとえばご主人)を敵だと感じてしまうことがあるそうです。
それはオキシトシンによって「赤ちゃんを私が守らないと」というような感情が芽生えるためだそうで、ごく自然な事なのです。
そういったオキシトシンの働きにより、ご主人にイライラしてしまったり、あたりが強くなってしまったりしているそうなのです。
ですから、産後ご主人に優しくできないと悩んでいる方は「オキシトシンが働いているんだ」と原因を知っているだけで少しですが気持ちに余裕が出来るのではないでしょうか。
決してあなたが悪いわけではなく、産後のホルモンバランスが影響していると受け止めてみるのも気持が楽になる一つの方法だと思います。
そのオキシトシンによって起こるイライラなどの感情も「スキンシップ」によって改善が出来ます。
ご主人やお子様と、スキンシップを取ることによって、脳の中の「扁桃体(へんとうたい)」という、不安や恐怖、ストレスなどを制御する機関に作用して、安心やリラックスなどの効果が得られるようになる、とも言われています。
お子様とあなたの関係を主に繋ぐオキシトシンですが、「スキンシップ」によって逆に夫婦仲を良くすることもできるそうです。
たとえば、ご主人とお子様と手を繋いでお散歩をするだけでご家族、皆様にオキシトシンが分泌され、とてもいい効果が期待できそうですね。
「オキシトシン」をたくさん分泌する「スキンシップ」は育児においてとてもいいことですが、大人の私たちにとってもとてもいい働きをしてくれそうです。